アメリカのラーメンブーム 最新情報

最近初めて会うアメリカ人に自分を紹介する時、[日本食のレビューを書いているの」というと、必ずと言って良いほど、ラーメンの事を聞かれる。少し前までは必ず「where is the bast sushi in the town]? だったが、ラーメンになると、「I know this shop][I know very good ramen..]とかで盛り上がる。でも私にすれば「American people don’t know much about ramen… yet.] である。

 

イントロダクション

20世紀の偉大な発明の一つと言われる安藤百福氏によるインスタントラーメン、「チキンラーメン」がこの世に出て半世紀が過ぎた。 このネーミングから「ラーメン」(*注1)の言葉が正式な日本語になったと言われている。 アメリカ人に馴染みの深い「カップヌードル」が初めてアメリカに登場して今年で40周年を迎える。以来、ラーメンといえば“カップ麺”のイメージが強かったアメリカもようやく変化を見せている。この4,5年都市を中心に「ラーメン」(*注1)店が増え、ラーメンのメニューもあちこちで見られるようになり、ラーメン人気が急上昇しているのだ。日本で一般に「ラーメン」とは店で食べるスープ麺の事。実はアメリカには70年代からラーメン店は存在していたものの、ここにきてやっとアメリカ人から評価を得て、マスコミにも連日取り上げられ、ブログのコメントも多い。 消費者にとって嬉しいのは、ラーメン店が増える事で、クオリティーは向上し、バリエーションも楽しめるようになった。一方、作る側は、その土地に合わせたラーメン作りに努力をしている。ラーメンブームは今世界中に広がっている。その最先端を行くアメリカで進化するラーメンを検証してみよう。

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ラーメン大国、日本

日本人はヌードルが大好きな国民である。日本の三代人気ヌードルと言えばうどん、そば、ラーメンが挙げられるが、ラーメンはその中でもバリエーションが最も多く、奥が深い。では実際に本国でどのくらいの人気があるかといえば、国内の店舗は約8万軒あると言われており、年間売り上げは約8000億円(約9.6ビリオンドル)のマンモス外食産業なのだ。それに「インスタントラーメン」の年間53.5億食の消費(日本即席食品工業協会2009年の調べ*但しJASの認可のみ)の市場も加えればかなり大きな数字になりそうだ。日本国内でインスタントラーメンは1000~2000種類くらいが出回っているといわれてるが、その数は定かでない。インスタント麺についてはシリーズ後半に述べるとして、この章ではラーメン店に焦点を当て進めていく。ラーメンの魅力は一言で言えば味のバラエティー、コンビネーションが幾通りにも楽しめ、“飽きない面白さ”が無限に広がっているからだろう。言い換えればラーメン作りにはルールがなく、作る側の創作で美味しさは食べる人の好みで決まる。それ故に各ラーメン店で違った味を試してみたくなるものだ。日本では老若男女が愛するカジュアルで手軽な“国民食”となっている。

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ラーメンとは?(基礎知識)

元々ラーメンは中国から伝わった麺料理で、麺とスープに具材を加えた食べ物なのだが、長年かけて日本風に開発された「ラーメン」は日本食である。同じ麺でも蕎麦、うどんとの違いは、小麦粉にかん水(*2)を混ぜるところにある。ラーメンは、麺、スープ、具の三構造で成り立っているが、スープ作りが最大の難関でもありそれぞれの個性を作り出す大元である。 従ってこのスープ作りの成功無しに「美味しいラーメン」はありえない。そしてスープの味、濃さと麺の食感と風味との相性がラーメンを味わう一番の要となる。麺作りも独特な製法であるが、スープは各自ラーメン店主がオリジナルのレシピを持つのが一般的。その秘伝の味が人気のポイントとなる。基本的の味は醤油、味噌、とんこつ、塩といった味が主流で、他の種類を挙げるときりがないので、今回基本の基本を紹介する。*同等の種類には、チャンポンもあるが、ラーメンとは区別されている。

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:小麦粉に水、かん水など(店によって異なる)を混ぜて作る。そば粉を混ぜるところもある。かん水は必須とはされていない。卵を入れる店もある。製麺時にグルテンが発生し、コシもこの段階でできる。小麦粉は製粉する業者により麺の出来に差ができるとされている為、どのラーメン店も製粉業者を厳選している。製麺時には水分や煉り具合の調整をしグルテンを引き出す。使う水にこだわる店主もいる。

製麺は自家製も多いが、ほとんどは製麺工場に各企業、個人がレシピを依頼するのが一般的。スープと絡ませる為、コシや喉越しの食感が重要なポイントとなる。

種類は太さ(細麺、中麺、太麺、極太麺など)と形(ストレート麺、ちぢれ麺)などがあり、生麺を湯がいて用いる。

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スープ

こってりかあっさりのスープの濃さ、甘さと辛さ、脂の量でスープを調節する。スープは基本の出汁とタレとのコンビネーションにより「ラーメンスープ」となる。出汁はラーメンのタイプによって異なるが、基本的には鶏がら、豚骨、牛骨、昆布、野菜などを混ぜて煮たものをいう。肉から摂った出汁に生姜や長ネギ、香味野菜などを混ぜて骨髄エキスの臭みをとるところが多い。野菜だけで作るスープもある。

タレ タレは4大スープ、醤油、豚骨、塩、味噌味の“決め手”となるベースになるもので、液体、又はペースト状、粉末に味が凝縮されており、スープと混ぜて完成するが。この後香味油を加え味を調える店が多い。一般には鶏がらスープ、豚骨スープに加える例が多かったが、最近ではスープの味も多様化している為、ラーメン店によりそれぞれレシピが異なる。

トッピング

一般的なのは、チャーシュー(煮豚のスライス)、卵(半熟ゆで卵、煮卵、味付け卵、温泉卵など)、ネギ(繊切りにした白ネギ、又は青ネギ。東京ネギが良く使われる)、メンマ又はシナチク(たけのこの一種)、野菜(モヤシ、キャベツ等)、ナルト(デザインされたかまぼこ)、

海苔、キクラゲ、紅生姜、高菜、にんにく 等。前述でも触れたように、ラーメンには組み合わせ、バランスが美味しさの秘訣となるので、トッピングもルールなはく、基本的に味のバランスがよければ何を入れても良い。チャーシューの代わりに魚介類を入れる店もある。尚、アメリカではキムチやチキンから揚げを好む人が多い。

(*注1)インスタントヌードルも大きなカタゴリーでは「ラーメン」と呼ぶが、ここでいう「ラーメン」は、一般的に、中華生麺を用いてスープと調理し、具材を添えどんぶりで食べる食。

(*2) かん水とは、中国で発見された石鹸のもととなる、鹸水塩湖のアルカリ塩水)で、麺にコシを与え保存性を高める特徴がある。また独特な臭いがあり、その臭いがラーメンの特徴ともされているが、必ず必要とはしない理論もある。又麺の色を金色に変えるのもこの水の作用である。

ご当地ラーメン


「ご当地ラーメン」の存在なくては、このブームは無かったかもしれない。「ご当地ラーメン」は、日本列島各地方でその独特の味が楽しめる、いわゆる地方の“ラーメン文化”なのだ。そのタイプ、スープ、味、トッピング、食感それぞれ違う特徴を持ち、わざわざその地方に出かけてまで「ご当地ラーメン」を楽しむ人も多い。個人の好みを地方の名前で表現する事がある。

代表的なご当地ラーメン


博多 とんこつ 典型なとんこつで長時間豚骨を煮立たせ、髄のエキスから旨味を摂る昔からのスープの採り方。こってりスープで甘味と旨味がある。麺は低加水、細麺ストレートで、コシよりも小麦粉の風味を残したマイルドな麺仕立て。生にんにくを用いる店が多い。

札幌 味噌、塩味 醤油、特徴はラードを使った濃い味、トッピングは油で炒めたりボリュームがある。 麺を先に丼に入れてスープを流し込むのも札幌風。麺は中太で縮れ麺、コシと強さがある。味噌味が一般的に札幌風とされているが、現在では醤油、塩も“札幌”ラーメンとして揃える店が多い。ラードやバターを使うのも地方の手法で、味はこってりでボリュームがある。

東京 醤油味 スープは比較的あっさり目。麺は中太、ちぢれ麺が多いが、様々なタイプが出回り、時代により特徴も変わっている。付け麺(スープをつけて食べる)や油麺(そこに沈んだ少ないスープに混ぜて食べる)などのタイプも多い。いわゆる「昔ながらの東京ラーメン」は、豚骨や鶏ガラの澄んだスープに和風ダシを加えスープ。

喜多方 醤油 歴史は長く、1925年に最初のラーメン店がオープンしたとされる。特徴は多加水麺、平打ちで太め、縮れ麺は、噛んだ時のモチモチ感がある。スープは豚骨、鶏ガラ、煮干し等を使ったあっさり澄んだ醤油味が主流。

熊本 豚骨 九州豚骨とされ、博多に比べて麺が太い。鶏ガラを加えてコクはあるが多少マイルドになったスープが特徴。また、麺は極細ストレート。熊本ではにんにくに火を通して使う店が多い。