「関西風割烹」という新しいコンセプトで去年の12月にオープンした「NamiNami」。日本食が多いベイエリアでもやはり「割烹」は珍しいとあって、新風を巻き起こしている。

カジュアルな関西風割烹料理

シリコンバレーのマウンテンビューはハイテク企業が多い地域で知られるが、その街の一角にあるCastro Street は、レストラン群が立ち並ぶグルメ通りで知られ、外食人口が得に多い。エスニック系のレストランが軒を連ねる中、日本食が中華に続いて最も多く2軒のラーメン屋を入れて9軒ある。しかもそのほとんどが繁盛しているので、この地区の日本食人気が伺える。

今回紹介するのは、そのストリートに「関西風割烹」という新しいコンセプトで去年の12月にオープンした「NamiNami」。日本食が多いベイエリアでもやはり「割烹」は珍しいとあって、新風を巻き起こしている。 先月は地元紙、「San Francisco Chronicle」にも紹介され、「Sushi」ではない新しい和食にベイエリアの日本食ブームがシフトしようとしている傾向がみられる。

オーナーの菅敬介氏(Keisuke Suga)がレストランをベイエリアにオープンしたのはこれで三軒目となる。若くして一件目の回転寿司「Hanamaru」をオープンし、次にラーメンと居酒屋、それから今回の「割烹」と次々と新しいアイディアを繰り広げている。「関西の味を生かした割烹」ということで、オーナーを始め、従業員も関西人が多く、職場はいつも和気藹々としている。料理は本場仕込みで、オープン以来、話題のスポットになっている。

モダンな内装は、シンプルなトーンで、バーのようなイメージや照明の使い方がヤングエグゼキュティブ好みの空間になっている。若いエネルギーを感じるのは、同店の客層のせいもあるが、この店で働く人の活気が伝わってくる。縦に長い店内の奥には小グループがミーティングに使用できる小さなコーナーもある。

同店の料理長を担当する塩野昭一氏は、大阪調理専門学校卒業後、伝統ある料亭で修業を重ねた。「きめ細かい日本食」を目指し、食材もほとんどが日本からというこだわりよう。メニューはバラエティー豊富で、三ヶ月おきに旬の食材を使ったメニューに書き換える。彼らの意図する「季節の表現」は、ひとつひとつの料理に込められている。 食材の組み合わせ方もユニークでメニューを見ただけで冒険心をそそるダイニングの醍醐味がそこにある。 さすが「関西風」とあって、出汁の取り方はとても丁寧で関西特有の繊細薄味。その為、出汁味の小皿を幾つか注文しても飽きがこない。量は全体的に少なめだが、使用する食器がおしゃれで、プレゼンテーションも凝っているので、見た目が華やか。

まずは前菜の「Naminami tofu」($6) を試してみた。クリーミーで黒胡麻の香りがほんのりとし、モチモチした食感で、ウニのトッピングがユニーク。 季節の野菜の煮物($14)はお楽しみ袋のようで、その時期を旬の野菜がひとつひとつ絶妙な柔らかさに調理してあり、上品な味にしあがっている。神戸ビーフどんぶり($18)は同店の人気メニューで、外だけをジュージュー炙ってあり、柔らかい上品質の肉からしたたりおちる脂が食欲をそそり、ふっくらと炊き上がったご飯との相性が良い。季節限定のユニークなメニューの中の一つには、稲庭うどん5WAYS($15)があり、ウニやイクラ、海老天等が盛ってある小さな鉢のうどんが5皿出てくる。そのトッピングも楽しいが、うどんも手打ちでシコシコして、関西風の出汁が活きている。これから冬にかけての季節は、「海老芝の東寺揚げ 吹き寄せ盛り」($15)や栗を使ったメニュー、鍋物等が同店のお勧め。どれも興味深いメニューでついつい多めに注文をしてしまう。 またプレミアム酒の種類も多く、冬季の味覚が楽しめる。 同店は昼も営業しており、築地膳定食や、サクサクと揚がったトンカツ定食、Naminami膳等が人気。

値段は、「割烹」の割りには安く、「居酒屋」と比べれば高い。しかし内容的に満足できるので、客からの評価は高い。どの程度アメリカ人が「割烹」に理解をしめしていいるかという質問に、「ウチは"関西風"にこだわっているので、アメリカ風な味付けにはしないつもりです。日本食が好きな人は薄味になれてきているようで、ステップアップした日本食を楽しんで欲しいです」と菅氏は、毎晩フルハウスの店内を忙しそうに切り盛りしている。

Kappo Naminami

240 Castro Street、

Mountain View CA

(650) 964-6990

一人当たりの客単価:$35~40(ドリンク含まず)